テスト
特徴としては、内定→決定率がほぼ100%であるということです(2社のクライアント企業からオファーを得た候補者がいますが、そのうちの1社に入社決定)。後述しますが、これは、決定した候補者がすべて自社集客であることと関係があるように思います。

月別アクション施策
3月
l 法人登記
Ø 資本金は500万円(免許取得の要件)
Ø 一部資金が足りず、知人から借りてなんとか準備完了
Ø ビジネスエアポート目黒に登記(86,000円/月+税)
l HP制作
Ø 2月から知人のwebデザイナーに発注
Ø WordPressで制作、オウンドメディア込みで90万円程度
l 人材紹介免許申請
Ø 東京労働局 需給調整事業部担当窓口に3回訪問するなど、大変面倒くさい
Ø 個室のあるオフィスが必要
Ø 提出書類を月末〆、翌翌々月初で免許交付予定
l YouTubeで自社チャンネルの運営開始、免許取得まで毎日更新を決意
Ø 対談コンテンツ3本/人×2人+ルーティーン動画1本
Ø 編集者は外部パートナー(個人のため格安)
l シニアアドバイザーとして出馬氏の参画
Ø 前職時代からの知人。会社としてのブランディングの他、クライアント/候補者/YouTube対談相手の紹介、研修事業の講師役、ディスカッションパートナー等の役割
l プレスリリース
5月
l 週2回YouTube対談、YouTube毎日更新
l 研修事業に取り組む
l 政策金融公庫から融資を受けるための準備開始
Ø エージェント事業はキャッシュインまでのタイムラグが長く、特に創業期はキャッシュ不足に悩まされるため、融資などのキャッシュ獲得施策は必至
Ø 政策金融公庫は金利が低く(1%程度)、融資のハードルが低いためおすすめ
Ø 準備の工数を減らし、確度を上げるべく、行政書士に依頼(融資実行額の5%を成功報酬として支払い)
l プレスリリース
6月
l 週2回YouTube対談、YouTube毎日更新
l 研修事業の受講生を獲得するため、電気新聞に広告掲載(30万円)
l JCLP(日本気候リーダーズ・パートナーシップ)加盟
Ø ブランディング、ネットワーキング、業界動向の情報収集の一環
l 業界イベント(Climate Tech Day2023)参加
l プレスリリース
7月
l 人材紹介免許取得、YouTube毎日更新の継続を決意
l 週2回YouTube対談、YouTube毎日更新
l マイナビの利用開始
Ø 初期費用40万円(通常60万円)+成約報酬
l Dodaの利用開始
Ø 初期費用無料、スカウト返信課金
l 業界イベント(Climate Techの最前線)参加
l 政策金融公庫より500万円の融資実行
8月
l 週2回YouTube対談、YouTube毎日更新
l エージェント事業で成約できないことに焦りを感じる
l 第一勧業信用組合に融資申込するもNG(個人としての与信が弱いため)
l 親戚から借金しようとするもNG
l JCLPイベント参加×2回
l プレスリリース
9月
l 週2回YouTube対談、YouTube毎日更新
l 10月末までに何らかのキャッシュ獲得施策を実施しないと債務超過になる状況
10月
l YouTube毎日投稿のペースを週3日ペースに変更
Ø 動画編集の費用削減のため
l 業界イベント参加×3回
l 知人の経営者から業務委託案件を請け、かつ一括前入金にて倒産危機を脱出
11月
l 週1回YouTube対談、YouTube週3回更新
l 12月に当社主催で業界関係者を集める忘年会開催を決意、準備開始
l 業界イベント参加×1回
l JCLPイベント参加
l 初成約!離職中の候補者だったため、翌月末にキャッシュイン
12月
l 週1回YouTube対談、YouTube週3回更新
l 忘年会主催、150名程度の関係者を集客
l 業界イベント参加
l JCLPイベント参加
l 2名成約
1月
l 週1回YouTube対談、YouTube毎日更新(本編3日、ショート4日)
Ø ショートは、低コストでインプレッションを増やす目的
l 業界イベント参加
l LinkedIn有料プラン契約(10,650ドル)
l 1名成約
2月
l 週1回YouTube対談、YouTube毎日更新(本編3日、ショート4日)
3月
l 週1回YouTube対談、YouTube毎日更新(本編3日、ショート4日)
l 1名成約
上手くいく人材紹介事業は、ブランディングが全て
以前のBiz Libraryにて公開しましたが、人材紹介会社の登録社数は30,000社程度存在し、市場は既に飽和状態であり、真っ赤っかのレッドオーシャンです。その中で、クライアント企業や候補者から「御社・あなたにお願いしたい」と思われるためには、ブランディングを強化することが必須だという確信があります。
ブランディングを考える上での第一歩は、自社のターゲットを専門特化させることにあります。大手企業ならいざ知らず、ゼロスタートの会社にとっては、「何でもできる=特徴がない=何もできない」となってしまいます。業界軸、職種軸、デモグラ属性(若手、シニア、30代特化…)などでセグメントし、何かしらでエッジを効かせなければ強いブランディングは作れません。
また、創業者のバックグラウンドを活かすことはとても重要です。人(コンサルタント)こそが、人材紹介会社のブランディングに直結するからです。当社は、私が脱炭素領域での事業経験があることを背景に、「脱炭素×人材」という事業テーマを設定し、脱炭素領域(←勝手にカテゴライズした)に特化した人材紹介事業を主軸として事業運営しています。
自社の専門性=強みを設定したら、次にいかにクライアントや候補者から認知を取るかを考えます。私は、SEO(検索エンジン)ではなく、SNS(YouTube)に賭けました。転職関連のワードで上位表示させることは至難の業である一方で、YouTubeならまだ勝てる可能性があると踏んだからです。
とはいえ、YouTubeには転職関連のチャンネルも多数存在します。そのため、当時流行っていたルーティーン動画というフォーマットをパクり、自分をさらけ出すスタイルで、かつ毎日投稿という物量勝負で動画投稿を進めていきました。
また、メインコンテンツは、脱炭素領域の企業との対談なのですが、対談を繰り返すとすることで、「こんなすごい人と対談している」というある種の「権威性」が培われていきます。その結果、次第にクライアントや候補者からの問い合わせが増えてきました。
ブランディングは大事ですが、そもそも認知されないと意味がありません。ブランディングの方向性を決めてからは、物量勝負で戦いました。
人材紹介事業が解散に至った過去の経験
私自身は、リーマンショック直後の2010年〜2014年までの4年半、当時のベンチャー企業で人材紹介事業の責任者を任されていました。売上が目標数値に届かず、また会社の方針もあり当該事業は解散することになったのですが、当時を振り返ると、反省点はまさに人材紹介事業としてのブランディングがなかったことにあります。具体的には、
- IT系企業を中心に、クライアントの求人依頼をなんでも請ける
- エージェント事業に特化したHPがなく、クライアント/候補者からの認知が取れない
- 転職コンサルタントは、自分含めほとんど新卒上がりのメンバーばかり
- ひたすらスカウト媒体でスカウトメールを送信(粗利率が75%程度)
という状況です。ブランディングには投資予算が必要です。例えば、オウンドメディア構築や広告出稿、人材採用などです。費用対効果が曖昧であるブランディング施策に対して、これらの重要性を説き、社内を説得し予算を獲得するのは容易ではありません。
結果的に、売上が予算を上振れする月もあればゼロの月もあり、年間予算の達成ができず、事業部解散となりました。
この時の反省が、人材紹介会社はブランディング強化が必至、という信念に繋がっています。
転職媒体は使うな
やってみて失敗した施策の1つに、転職媒体の活用があります。具体的には、マイナビとDodaを契約しましたが、いずれも成約に繋げることはできず、当社としては、いずれも投資(費用+工数)以上の対価を得ることはできませんでした。
そもそも、現在の転職市場は、求人数>>アクティブな候補者数 です。そのため、転職媒体側も強気の姿勢をとっています。具体的には、
- 参画条件あり(ex. ビズリーチ…直近1年間で800万円以上のオファーでの転職支援実績が2件必要)
- 初期費用が発生(ex. マイナビ…定価60万円、リクルートダイレクトスカウト…30万円)
というものです。また、せっかくお金を払って使っても、スカウトの返信率は非常に低いです。数百の人材紹介会社に加えて、同じくらいの直接採用企業もスカウトを送信しているためです。職種や年齢等により一概には言えませんが、目安として返信率は0.5%未満だと捉えておいた方が良いです。なお、1通ずつスカウトを作成して送信すると時間がいくらあっても足りないからといってスカウトの一括送信機能を活用すると、今度はミスマッチな候補者から返信をもらってしまう、という事態が発生しがちです。
結局、スカウトの工数に対する成果(適切な候補者との面談数)が見合わず、契約したマイナビ、Dodaはいずれも初年度で解約してしまいました。リクルートダイレクトスカウトは初期費用30万円の支払いが重いため、契約をしていません。
求人DBは使うな
直近での人材紹介市場の大きな変換の1つに、求人DBサービスが登場したことが挙げられます。
スキームとしては、アライアンス相手が保有する求人DBに対して、自社で集客した候補者をマッチングさせるというものです。費用は、月額固定(10〜20万円程度)もしくは成功報酬(エージェントの売上の50%程度)です。
こういった類のサービスは、クライアントが少ない状態では一見魅力的に映りますが、固定費が重くのしかかり、完全成功報酬だとしても費用が大きすぎます。なによりも、自社のブランディングを崩壊させてしまうため、当社では利用していません。もちろん、求人DBを利用して上手くいっているエージェント企業もあると思いますが、長期的にみて、自社の利益を大きく減らすことに繋がると判断しました。極論、求人DBに依存しないと案件獲得ができないようでは、人材紹介会社を立ち上げることを見直すべきではないかと思います。
粗利率100%の要因は、候補者の集客源がYouTubeだから
初年度の決定実績5名の候補者は、いずれも自社集客によるものです。具体的には、HP問い合わせ4名、知人1名です。そのため、粗利率が100%となっています。原価0円というのは、経営へのインパクトが相当大きいです。転職媒体経由で候補者を集客すると、エージェントの売上の25%程度を持っていかれます。1,000万円のオファーで転職仲介した場合、エージェントの手数料を35%だとすると、1,000万円×35%×25%=87.5万円+税を、転職媒体に支払わなければなりません。これはデカすぎます。いつまで経っても、儲かりません。
HP問い合わせ4名は、いずれも自社YouTubeチャンネルを見てくれていた方でした。確かに、YouTubeの運営には大きなコストがかかります。編集費用以外にも、企画を考える時間や撮影の工数が発生します。これらは、決して軽い負担ではありません。
ただし、投じた工数以上のリターンを得られていると実感しています。具体的には、候補者からの問い合わせだけでなく、クライアント候補からの問い合わせも多数いただけています。
また、YouTubeで対談し、その後採用依頼に話が進展することもしばしばあります(逆も然り)。たとえば、当社の決定実績のうち、2件は某ベンチャーキャピタルの投資先の幹部候補案件なのですが、このVCとは業界イベントでたまたま知り合い、その後YouTube撮影を通じて関係性を作り、担当する投資先企業の採用依頼を受けるようになっていきました。
こういった案件は、求人DBで出回っている案件とは異なり、競合となるエージェント数が少なく、また幹部候補とあって年収水準も高いので、比較的決まりやすく、かつ1成約の経営インパクトが大きいです。もちろん採用水準が高いので、そういった候補者を探すことは容易ではありませんが、当社の場合は、いずれも偶然YouTubeを通じてインバウンドで接点を持った候補者が採用決定に繋がりました。
背景として、候補者はYouTubeで気になる企業の社名を検索するという行動をとることが挙げられます。当社は企業インタビューという形で対談動画のコンテンツを作っているため、YouTubeで社名検索すると検索結果にヒットする場合がしばしばあります。これによって、当社を認知し、問い合わせしてくれる候補者が増えてきました。
伸びるコンテンツはこれ
YouTubeで伸びるコンテンツを3パターン挙げます。
1. ルーティーン動画
2. 対談企業側に、社内外に情報拡散してもらう
3. YouTube SEOを攻略する
1つ目のルーティーン動画について、YouTubeで伸びる動画の共通点は、基本的にブラウジング機能、いわゆる「YouTubeのおすすめ(TOPページ)」に表示されることにあります。どうやったら「YouTubeのおすすめ」に載るかは明確ではありませんが、ルーティーン動画のように流行っているフォーマットに寄せて、#ルーティーン などとタグを付けて投稿すると、おすすめに表示されやすい傾向があります。直近では、ルーティーン動画は1,000再生を越えるようになってきて、認知拡大に寄与しています。
2つ目の情報拡散について、これは対談相手が大企業の場合に効果を発揮します。具体的には社内のイントラネットに共有いただく、またLinkedInやXのアカウントで拡散いただくなどが挙げられます。
そして、3つ目のYouTube SEOですが、投稿当初は再生回数が少なくても、半年後くらいからジワジワ伸びてくるコンテンツがあります。
たとえば、当社のチャンネルでもっとも再生回数が多い動画は、下記動画です。
【選考通過率大幅up!】No.1エージェントが教える職務経歴書の書き方
https://youtu.be/CJphhOgGfyk?si=NYkn7LwKiVWsuA1H
アナリティクスで見ると、投稿後、110日を経過したタイミングで急に再生されるようになっていることが分かります。これは、YouTubeで「職務経歴書」「職務経歴書 書き方」などで検索された際に、上位表示されるようになったことが主な要因です。
YouTube SEOは、検索エンジンほどには攻略されていない印象を受けるので、新規参入者もまだ戦えるフィールドだと思います。
敢えてオススメする媒体は、LinkedIn
基本的に転職媒体は使っていませんが、唯一使っている媒体がLinkedInです。LinkedIn自体は転職媒体ではありませんが、潜在的な転職候補者に対してアプローチできる媒体として重宝しています。主に外資系エージェントはLinkedInを使いこなしており、スカウトメールが届いている読者の方もいらっしゃるかと思いますが、当社でも2024年1月に思い切って有料プランを契約しました。有料プランでは、InMail(繋がっていない方にもDMを送付できる機能)200通/月、求人掲載1枠、細かなセグメントで人材検索できる機能が備わっています。InMailの標準的な返信率は13%であり、一般的なスカウト媒体とは実に26倍も高いので、スカウト作業の時間対効果はとても良いです。
ただし、LinkedInの登録者は必ずしも転職活動を行なっている方ばかりではない(むしろ現在進行形で転職活動をしている人は少数派)ため、中長期的な関係性を構築していくことを想定した方が良いです。少なくとも、当社のターゲットである脱炭素領域の人材は、マイナビやDodaではほとんど見かけなかったため、当社にとってLinkedInは重宝しています。
また、InMailを受け取った候補者は、返信するかどうかの判断材料として、スカウト送付社のプロフィールを見ることが多いようです。そのため、スカウトの返信率を高めるために、私自身がLinkedInでの発信回数を増やすことに注力しています。具体的には、YouTubeの動画コンテンツを拡散したり、業界情報を発信するなどを継続的に行っています。なお、最近は、LinkedInでは言語の自動翻訳機能がついているので、日本語で発信しても海外のユーザーには英語で表示されるようになっています。
クライアントは全てインバウンドで獲得
リーマンショック直後に人材紹介事業に従事していた際は、1日100件のテレアポをして新規クライアントの開拓を行なっていましたが、現在はクライアントへの営業活動(テレアポ、HPへのメール送付等)は一切行っていません。YouTube対談・情報発信を続けることで、業界内で知人が増えたり、紹介してもらえたりすることで、求人案件を獲得できるようになっています。また、特にスタートアップは、YouTube対談をきっかけに採用支援に繋がることも多いです。
あまりクライアント社数を増やしすぎても、創業期は人手不足のため支援しきれないので、10〜20社程度のクライアントがいれば十分ではないかと思います。
まとめ&壁打ち相談(無料)の問い合わせ方法
人材紹介事業の創業から1年間を振り返ってみました。振り返ってみて、これはやらなければ良かった/やっておけば良かったという点と、やっておいて良かったという点を列挙します。
やらなければ良かった点
・スカウト媒体は契約しない(費用が高い割には、リターンが乏しい)
・初期のYouTube毎日更新は不要(編集費用がかかる割には、成果が乏しい)
やっておけば良かった点
・出来るだけ自己資金を貯めておく(資本金500万円+政策金融公庫500万円でも、ギリギリです。キャッシュアウトしないように、より多くの自己資金を貯めておくか、業務委託を請けることでバーンレートを下げることが必須です)
やっておいて良かった点
・シニアアドバイザーの参画(自分の最大の功績の1つ。業界の重鎮的な人で、自分と馬が合う方で、かつ低い報酬でも甘んじて引き受けていただける方が良い)
・YouTube運営(これがなければ自社集客ができていない)
・業界イベントへの積極的な顔出し(クライアント候補が増える)
最後に、今後やりたいことを列挙します。
・短期的には年商1億円、中長期的には年商10億円
・TikTok運営(若手候補者獲得のため)
・アジア展開(市場が伸びるため。LinkedInがあれば戦えると判断)
・転職サイトのリリース(エージェント事業と並行して、Greenのような転職サイトを作りたい)
以上です。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
また、この記事をご購入いただいた方で、事業の壁打ちをご相談したい方がいらっしゃれば、お気軽にお問い合わせください。
これから人材紹介事業を立ち上げようとしている方だけでなく、現在取り組んでいる別の事業のご相談でも構いません(先着100名様限定、無料)。
私のX(https://twitter.com/kaziguchi)宛に、Biz Library購入された旨を含めて、DMをいただけますようお願いします。
本記事をお読みいただき、読者のあなたにとって何かしら得るものがあれば幸いです。
追記(2024年4月8日):YouTubeを活用して上手くいっていると思われる他エージェント情報(実績値あり)
YouTubeを活用して候補者の集客が上手くいっていると思われる人材紹介会社をピックアップします。私も、動画の内容や投稿本数/頻度、概要欄の記載や面談までの導線など、かなり参考にしました。
●ハイクラス転職のリメディ
https://www.youtube.com/@remedy_high-class-career
<特徴>
・ハイクラス特化(M&A仲介会社、コンサルティングファーム等)に強みを持つエージェント
・コンサルファーム在籍経験者の人物(社員ではないと思われる)が、フェルミ推定やケース面接の解き方を動画で解説している
・社員は、いわゆるハイクラス企業出身者が多い印象
・2022年度の転職支援数は190件(2021年度=57件)
・なお、コンサルタント1人当たりの売上高が11,380万円と、異常に高い
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2月
l 週1回YouTube対談、YouTube毎日更新(本編3日、ショート4日)
3月
l 週1回YouTube対談、YouTube毎日更新(本編3日、ショート4日)
l 1名成約
上手くいく人材紹介事業は、ブランディングが全て
以前のBiz Libraryにて公開しましたが、人材紹介会社の登録社数は30,000社程度存在し、市場は既に飽和状態であり、真っ赤っかのレッドオーシャンです。その中で、クライアント企業や候補者から「御社・あなたにお願いしたい」と思われるためには、ブランディングを強化することが必須だという確信があります。
ブランディングを考える上での第一歩は、自社のターゲットを専門特化させることにあります。大手企業ならいざ知らず、ゼロスタートの会社にとっては、「何でもできる=特徴がない=何もできない」となってしまいます。業界軸、職種軸、デモグラ属性(若手、シニア、30代特化…)などでセグメントし、何かしらでエッジを効かせなければ強いブランディングは作れません。
また、創業者のバックグラウンドを活かすことはとても重要です。人(コンサルタント)こそが、人材紹介会社のブランディングに直結するからです。当社は、私が脱炭素領域での事業経験があることを背景に、「脱炭素×人材」という事業テーマを設定し、脱炭素領域(←勝手にカテゴライズした)に特化した人材紹介事業を主軸として事業運営しています。
自社の専門性=強みを設定したら、次にいかにクライアントや候補者から認知を取るかを考えます。私は、SEO(検索エンジン)ではなく、SNS(YouTube)に賭けました。転職関連のワードで上位表示させることは至難の業である一方で、YouTubeならまだ勝てる可能性があると踏んだからです。
とはいえ、YouTubeには転職関連のチャンネルも多数存在します。そのため、当時流行っていたルーティーン動画というフォーマットをパクり、自分をさらけ出すスタイルで、かつ毎日投稿という物量勝負で動画投稿を進めていきました。
また、メインコンテンツは、脱炭素領域の企業との対談なのですが、対談を繰り返すとすることで、「こんなすごい人と対談している」というある種の「権威性」が培われていきます。その結果、次第にクライアントや候補者からの問い合わせが増えてきました。
ブランディングは大事ですが、そもそも認知されないと意味がありません。ブランディングの方向性を決めてからは、物量勝負で戦いました。
人材紹介事業が解散に至った過去の経験
私自身は、リーマンショック直後の2010年〜2014年までの4年半、当時のベンチャー企業で人材紹介事業の責任者を任されていました。売上が目標数値に届かず、また会社の方針もあり当該事業は解散することになったのですが、当時を振り返ると、反省点はまさに人材紹介事業としてのブランディングがなかったことにあります。具体的には、
- IT系企業を中心に、クライアントの求人依頼をなんでも請ける
- エージェント事業に特化したHPがなく、クライアント/候補者からの認知が取れない
- 転職コンサルタントは、自分含めほとんど新卒上がりのメンバーばかり
- ひたすらスカウト媒体でスカウトメールを送信(粗利率が75%程度)
という状況です。ブランディングには投資予算が必要です。例えば、オウンドメディア構築や広告出稿、人材採用などです。費用対効果が曖昧であるブランディング施策に対して、これらの重要性を説き、社内を説得し予算を獲得するのは容易ではありません。
結果的に、売上が予算を上振れする月もあればゼロの月もあり、年間予算の達成ができず、事業部解散となりました。
この時の反省が、人材紹介会社はブランディング強化が必至、という信念に繋がっています。
転職媒体は使うな
やってみて失敗した施策の1つに、転職媒体の活用があります。具体的には、マイナビとDodaを契約しましたが、いずれも成約に繋げることはできず、当社としては、いずれも投資(費用+工数)以上の対価を得ることはできませんでした。
そもそも、現在の転職市場は、求人数>>アクティブな候補者数 です。そのため、転職媒体側も強気の姿勢をとっています。具体的には、
- 参画条件あり(ex. ビズリーチ…直近1年間で800万円以上のオファーでの転職支援実績が2件必要)
- 初期費用が発生(ex. マイナビ…定価60万円、リクルートダイレクトスカウト…30万円)
というものです。また、せっかくお金を払って使っても、スカウトの返信率は非常に低いです。数百の人材紹介会社に加えて、同じくらいの直接採用企業もスカウトを送信しているためです。職種や年齢等により一概には言えませんが、目安として返信率は0.5%未満だと捉えておいた方が良いです。なお、1通ずつスカウトを作成して送信すると時間がいくらあっても足りないからといってスカウトの一括送信機能を活用すると、今度はミスマッチな候補者から返信をもらってしまう、という事態が発生しがちです。
結局、スカウトの工数に対する成果(適切な候補者との面談数)が見合わず、契約したマイナビ、Dodaはいずれも初年度で解約してしまいました。リクルートダイレクトスカウトは初期費用30万円の支払いが重いため、契約をしていません。
求人DBは使うな
直近での人材紹介市場の大きな変換の1つに、求人DBサービスが登場したことが挙げられます。
スキームとしては、アライアンス相手が保有する求人DBに対して、自社で集客した候補者をマッチングさせるというものです。費用は、月額固定(10〜20万円程度)もしくは成功報酬(エージェントの売上の50%程度)です。
こういった類のサービスは、クライアントが少ない状態では一見魅力的に映りますが、固定費が重くのしかかり、完全成功報酬だとしても費用が大きすぎます。なによりも、自社のブランディングを崩壊させてしまうため、当社では利用していません。もちろん、求人DBを利用して上手くいっているエージェント企業もあると思いますが、長期的にみて、自社の利益を大きく減らすことに繋がると判断しました。極論、求人DBに依存しないと案件獲得ができないようでは、人材紹介会社を立ち上げることを見直すべきではないかと思います。
粗利率100%の要因は、候補者の集客源がYouTubeだから
初年度の決定実績5名の候補者は、いずれも自社集客によるものです。具体的には、HP問い合わせ4名、知人1名です。そのため、粗利率が100%となっています。原価0円というのは、経営へのインパクトが相当大きいです。転職媒体経由で候補者を集客すると、エージェントの売上の25%程度を持っていかれます。1,000万円のオファーで転職仲介した場合、エージェントの手数料を35%だとすると、1,000万円×35%×25%=87.5万円+税を、転職媒体に支払わなければなりません。これはデカすぎます。いつまで経っても、儲かりません。
HP問い合わせ4名は、いずれも自社YouTubeチャンネルを見てくれていた方でした。確かに、YouTubeの運営には大きなコストがかかります。編集費用以外にも、企画を考える時間や撮影の工数が発生します。これらは、決して軽い負担ではありません。
ただし、投じた工数以上のリターンを得られていると実感しています。具体的には、候補者からの問い合わせだけでなく、クライアント候補からの問い合わせも多数いただけています。
また、YouTubeで対談し、その後採用依頼に話が進展することもしばしばあります(逆も然り)。たとえば、当社の決定実績のうち、2件は某ベンチャーキャピタルの投資先の幹部候補案件なのですが、このVCとは業界イベントでたまたま知り合い、その後YouTube撮影を通じて関係性を作り、担当する投資先企業の採用依頼を受けるようになっていきました。
こういった案件は、求人DBで出回っている案件とは異なり、競合となるエージェント数が少なく、また幹部候補とあって年収水準も高いので、比較的決まりやすく、かつ1成約の経営インパクトが大きいです。もちろん採用水準が高いので、そういった候補者を探すことは容易ではありませんが、当社の場合は、いずれも偶然YouTubeを通じてインバウンドで接点を持った候補者が採用決定に繋がりました。
背景として、候補者はYouTubeで気になる企業の社名を検索するという行動をとることが挙げられます。当社は企業インタビューという形で対談動画のコンテンツを作っているため、YouTubeで社名検索すると検索結果にヒットする場合がしばしばあります。これによって、当社を認知し、問い合わせしてくれる候補者が増えてきました。
伸びるコンテンツはこれ
YouTubeで伸びるコンテンツを3パターン挙げます。
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Ø 一部資金が足りず、知人から借りてなんとか準備完了
Ø ビジネスエアポート目黒に登記(86,000円/月+税)
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Ø 2月から知人のwebデザイナーに発注
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Ø 東京労働局 需給調整事業部担当窓口に3回訪問するなど、大変面倒くさい
Ø 個室のあるオフィスが必要
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l YouTubeで自社チャンネルの運営開始、免許取得まで毎日更新を決意
Ø 対談コンテンツ3本/人×2人+ルーティーン動画1本
Ø 編集者は外部パートナー(個人のため格安)
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Ø 前職時代からの知人。会社としてのブランディングの他、クライアント/候補者/YouTube対談相手の紹介、研修事業の講師役、ディスカッションパートナー等の役割
l プレスリリース
5月
l 週2回YouTube対談、YouTube毎日更新
l 研修事業に取り組む
l 政策金融公庫から融資を受けるための準備開始
Ø エージェント事業はキャッシュインまでのタイムラグが長く、特に創業期はキャッシュ不足に悩まされるため、融資などのキャッシュ獲得施策は必至
Ø 政策金融公庫は金利が低く(1%程度)、融資のハードルが低いためおすすめ
Ø 準備の工数を減らし、確度を上げるべく、行政書士に依頼(融資実行額の5%を成功報酬として支払い)
l プレスリリース
6月
l 週2回YouTube対談、YouTube毎日更新
l 研修事業の受講生を獲得するため、電気新聞に広告掲載(30万円)
l JCLP(日本気候リーダーズ・パートナーシップ)加盟
Ø ブランディング、ネットワーキング、業界動向の情報収集の一環
l 業界イベント(Climate Tech Day2023)参加
l プレスリリース
7月
l 人材紹介免許取得、YouTube毎日更新の継続を決意
l 週2回YouTube対談、YouTube毎日更新
l マイナビの利用開始
Ø 初期費用40万円(通常60万円)+成約報酬
l Dodaの利用開始
Ø 初期費用無料、スカウト返信課金
l 業界イベント(Climate Techの最前線)参加
l 政策金融公庫より500万円の融資実行
8月
l 週2回YouTube対談、YouTube毎日更新
l エージェント事業で成約できないことに焦りを感じる
l 第一勧業信用組合に融資申込するもNG(個人としての与信が弱いため)
l 親戚から借金しようとするもNG
l JCLPイベント参加×2回
l プレスリリース
9月
l 週2回YouTube対談、YouTube毎日更新
l 10月末までに何らかのキャッシュ獲得施策を実施しないと債務超過になる状況
10月
l YouTube毎日投稿のペースを週3日ペースに変更
Ø 動画編集の費用削減のため
l 業界イベント参加×3回
l 知人の経営者から業務委託案件を請け、かつ一括前入金にて倒産危機を脱出
11月
l 週1回YouTube対談、YouTube週3回更新
l 12月に当社主催で業界関係者を集める忘年会開催を決意、準備開始
l 業界イベント参加×1回
l JCLPイベント参加
l 初成約!離職中の候補者だったため、翌月末にキャッシュイン
12月
l 週1回YouTube対談、YouTube週3回更新
l 忘年会主催、150名程度の関係者を集客
l 業界イベント参加
l JCLPイベント参加
l 2名成約
1月
l 週1回YouTube対談、YouTube毎日更新(本編3日、ショート4日)
Ø ショートは、低コストでインプレッションを増やす目的
l 業界イベント参加
l LinkedIn有料プラン契約(10,650ドル)
l 1名成約
2月
l 週1回YouTube対談、YouTube毎日更新(本編3日、ショート4日)
3月
l 週1回YouTube対談、YouTube毎日更新(本編3日、ショート4日)
l 1名成約
上手くいく人材紹介事業は、ブランディングが全て
以前のBiz Libraryにて公開しましたが、人材紹介会社の登録社数は30,000社程度存在し、市場は既に飽和状態であり、真っ赤っかのレッドオーシャンです。その中で、クライアント企業や候補者から「御社・あなたにお願いしたい」と思われるためには、ブランディングを強化することが必須だという確信があります。
ブランディングを考える上での第一歩は、自社のターゲットを専門特化させることにあります。大手企業ならいざ知らず、ゼロスタートの会社にとっては、「何でもできる=特徴がない=何もできない」となってしまいます。業界軸、職種軸、デモグラ属性(若手、シニア、30代特化…)などでセグメントし、何かしらでエッジを効かせなければ強いブランディングは作れません。
また、創業者のバックグラウンドを活かすことはとても重要です。人(コンサルタント)こそが、人材紹介会社のブランディングに直結するからです。当社は、私が脱炭素領域での事業経験があることを背景に、「脱炭素×人材」という事業テーマを設定し、脱炭素領域(←勝手にカテゴライズした)に特化した人材紹介事業を主軸として事業運営しています。
自社の専門性=強みを設定したら、次にいかにクライアントや候補者から認知を取るかを考えます。私は、SEO(検索エンジン)ではなく、SNS(YouTube)に賭けました。転職関連のワードで上位表示させることは至難の業である一方で、YouTubeならまだ勝てる可能性があると踏んだからです。
とはいえ、YouTubeには転職関連のチャンネルも多数存在します。そのため、当時流行っていたルーティーン動画というフォーマットをパクり、自分をさらけ出すスタイルで、かつ毎日投稿という物量勝負で動画投稿を進めていきました。
また、メインコンテンツは、脱炭素領域の企業との対談なのですが、対談を繰り返すとすることで、「こんなすごい人と対談している」というある種の「権威性」が培われていきます。その結果、次第にクライアントや候補者からの問い合わせが増えてきました。
ブランディングは大事ですが、そもそも認知されないと意味がありません。ブランディングの方向性を決めてからは、物量勝負で戦いました。
人材紹介事業が解散に至った過去の経験
私自身は、リーマンショック直後の2010年〜2014年までの4年半、当時のベンチャー企業で人材紹介事業の責任者を任されていました。売上が目標数値に届かず、また会社の方針もあり当該事業は解散することになったのですが、当時を振り返ると、反省点はまさに人材紹介事業としてのブランディングがなかったことにあります。具体的には、
- IT系企業を中心に、クライアントの求人依頼をなんでも請ける
- エージェント事業に特化したHPがなく、クライアント/候補者からの認知が取れない
- 転職コンサルタントは、自分含めほとんど新卒上がりのメンバーばかり
- ひたすらスカウト媒体でスカウトメールを送信(粗利率が75%程度)
という状況です。ブランディングには投資予算が必要です。例えば、オウンドメディア構築や広告出稿、人材採用などです。費用対効果が曖昧であるブランディング施策に対して、これらの重要性を説き、社内を説得し予算を獲得するのは容易ではありません。
結果的に、売上が予算を上振れする月もあればゼロの月もあり、年間予算の達成ができず、事業部解散となりました。
この時の反省が、人材紹介会社はブランディング強化が必至、という信念に繋がっています。
転職媒体は使うな
やってみて失敗した施策の1つに、転職媒体の活用があります。具体的には、マイナビとDodaを契約しましたが、いずれも成約に繋げることはできず、当社としては、いずれも投資(費用+工数)以上の対価を得ることはできませんでした。
そもそも、現在の転職市場は、求人数>>アクティブな候補者数 です。そのため、転職媒体側も強気の姿勢をとっています。具体的には、
- 参画条件あり(ex. ビズリーチ…直近1年間で800万円以上のオファーでの転職支援実績が2件必要)
- 初期費用が発生(ex. マイナビ…定価60万円、リクルートダイレクトスカウト…30万円)
というものです。また、せっかくお金を払って使っても、スカウトの返信率は非常に低いです。数百の人材紹介会社に加えて、同じくらいの直接採用企業もスカウトを送信しているためです。職種や年齢等により一概には言えませんが、目安として返信率は0.5%未満だと捉えておいた方が良いです。なお、1通ずつスカウトを作成して送信すると時間がいくらあっても足りないからといってスカウトの一括送信機能を活用すると、今度はミスマッチな候補者から返信をもらってしまう、という事態が発生しがちです。
結局、スカウトの工数に対する成果(適切な候補者との面談数)が見合わず、契約したマイナビ、Dodaはいずれも初年度で解約してしまいました。リクルートダイレクトスカウトは初期費用30万円の支払いが重いため、契約をしていません。
求人DBは使うな
直近での人材紹介市場の大きな変換の1つに、求人DBサービスが登場したことが挙げられます。
スキームとしては、アライアンス相手が保有する求人DBに対して、自社で集客した候補者をマッチングさせるというものです。費用は、月額固定(10〜20万円程度)もしくは成功報酬(エージェントの売上の50%程度)です。
こういった類のサービスは、クライアントが少ない状態では一見魅力的に映りますが、固定費が重くのしかかり、完全成功報酬だとしても費用が大きすぎます。なによりも、自社のブランディングを崩壊させてしまうため、当社では利用していません。もちろん、求人DBを利用して上手くいっているエージェント企業もあると思いますが、長期的にみて、自社の利益を大きく減らすことに繋がると判断しました。極論、求人DBに依存しないと案件獲得ができないようでは、人材紹介会社を立ち上げることを見直すべきではないかと思います。
粗利率100%の要因は、候補者の集客源がYouTubeだから
初年度の決定実績5名の候補者は、いずれも自社集客によるものです。具体的には、HP問い合わせ4名、知人1名です。そのため、粗利率が100%となっています。原価0円というのは、経営へのインパクトが相当大きいです。転職媒体経由で候補者を集客すると、エージェントの売上の25%程度を持っていかれます。1,000万円のオファーで転職仲介した場合、エージェントの手数料を35%だとすると、1,000万円×35%×25%=87.5万円+税を、転職媒体に支払わなければなりません。これはデカすぎます。いつまで経っても、儲かりません。
HP問い合わせ4名は、いずれも自社YouTubeチャンネルを見てくれていた方でした。確かに、YouTubeの運営には大きなコストがかかります。編集費用以外にも、企画を考える時間や撮影の工数が発生します。これらは、決して軽い負担ではありません。
ただし、投じた工数以上のリターンを得られていると実感しています。具体的には、候補者からの問い合わせだけでなく、クライアント候補からの問い合わせも多数いただけています。
また、YouTubeで対談し、その後採用依頼に話が進展することもしばしばあります(逆も然り)。たとえば、当社の決定実績のうち、2件は某ベンチャーキャピタルの投資先の幹部候補案件なのですが、このVCとは業界イベントでたまたま知り合い、その後YouTube撮影を通じて関係性を作り、担当する投資先企業の採用依頼を受けるようになっていきました。
こういった案件は、求人DBで出回っている案件とは異なり、競合となるエージェント数が少なく、また幹部候補とあって年収水準も高いので、比較的決まりやすく、かつ1成約の経営インパクトが大きいです。もちろん採用水準が高いので、そういった候補者を探すことは容易ではありませんが、当社の場合は、いずれも偶然YouTubeを通じてインバウンドで接点を持った候補者が採用決定に繋がりました。
背景として、候補者はYouTubeで気になる企業の社名を検索するという行動をとることが挙げられます。当社は企業インタビューという形で対談動画のコンテンツを作っているため、YouTubeで社名検索すると検索結果にヒットする場合がしばしばあります。これによって、当社を認知し、問い合わせしてくれる候補者が増えてきました。
伸びるコンテンツはこれ
YouTubeで伸びるコンテンツを3パターン挙げます。
1. ルーティーン動画
2. 対談企業側に、社内外に情報拡散してもらう
3. YouTube SEOを攻略する
1つ目のルーティーン動画について、YouTubeで伸びる動画の共通点は、基本的にブラウジング機能、いわゆる「YouTubeのおすすめ(TOPページ)」に表示されることにあります。どうやったら「YouTubeのおすすめ」に載るかは明確ではありませんが、ルーティーン動画のように流行っているフォーマットに寄せて、#ルーティーン などとタグを付けて投稿すると、おすすめに表示されやすい傾向があります。直近では、ルーティーン動画は1,000再生を越えるようになってきて、認知拡大に寄与しています。
2つ目の情報拡散について、これは対談相手が大企業の場合に効果を発揮します。具体的には社内のイントラネットに共有いただく、またLinkedInやXのアカウントで拡散いただくなどが挙げられます。
そして、3つ目のYouTube SEOですが、投稿当初は再生回数が少なくても、半年後くらいからジワジワ伸びてくるコンテンツがあります。
たとえば、当社のチャンネルでもっとも再生回数が多い動画は、下記動画です。
【選考通過率大幅up!】No.1エージェントが教える職務経歴書の書き方
https://youtu.be/CJphhOgGfyk?si=NYkn7LwKiVWsuA1H
アナリティクスで見ると、投稿後、110日を経過したタイミングで急に再生されるようになっていることが分かります。これは、YouTubeで「職務経歴書」「職務経歴書 書き方」などで検索された際に、上位表示されるようになったことが主な要因です。
YouTube SEOは、検索エンジンほどには攻略されていない印象を受けるので、新規参入者もまだ戦えるフィールドだと思います。
敢えてオススメする媒体は、LinkedIn
基本的に転職媒体は使っていませんが、唯一使っている媒体がLinkedInです。LinkedIn自体は転職媒体ではありませんが、潜在的な転職候補者に対してアプローチできる媒体として重宝しています。主に外資系エージェントはLinkedInを使いこなしており、スカウトメールが届いている読者の方もいらっしゃるかと思いますが、当社でも2024年1月に思い切って有料プランを契約しました。有料プランでは、InMail(繋がっていない方にもDMを送付できる機能)200通/月、求人掲載1枠、細かなセグメントで人材検索できる機能が備わっています。InMailの標準的な返信率は13%であり、一般的なスカウト媒体とは実に26倍も高いので、スカウト作業の時間対効果はとても良いです。
ただし、LinkedInの登録者は必ずしも転職活動を行なっている方ばかりではない(むしろ現在進行形で転職活動をしている人は少数派)ため、中長期的な関係性を構築していくことを想定した方が良いです。少なくとも、当社のターゲットである脱炭素領域の人材は、マイナビやDodaではほとんど見かけなかったため、当社にとってLinkedInは重宝しています。
また、InMailを受け取った候補者は、返信するかどうかの判断材料として、スカウト送付社のプロフィールを見ることが多いようです。そのため、スカウトの返信率を高めるために、私自身がLinkedInでの発信回数を増やすことに注力しています。具体的には、YouTubeの動画コンテンツを拡散したり、業界情報を発信するなどを継続的に行っています。なお、最近は、LinkedInでは言語の自動翻訳機能がついているので、日本語で発信しても海外のユーザーには英語で表示されるようになっています。
クライアントは全てインバウンドで獲得
リーマンショック直後に人材紹介事業に従事していた際は、1日100件のテレアポをして新規クライアントの開拓を行なっていましたが、現在はクライアントへの営業活動(テレアポ、HPへのメール送付等)は一切行っていません。YouTube対談・情報発信を続けることで、業界内で知人が増えたり、紹介してもらえたりすることで、求人案件を獲得できるようになっています。また、特にスタートアップは、YouTube対談をきっかけに採用支援に繋がることも多いです。
あまりクライアント社数を増やしすぎても、創業期は人手不足のため支援しきれないので、10〜20社程度のクライアントがいれば十分ではないかと思います。
まとめ&壁打ち相談(無料)の問い合わせ方法
人材紹介事業の創業から1年間を振り返ってみました。振り返ってみて、これはやらなければ良かった/やっておけば良かったという点と、やっておいて良かったという点を列挙します。
やらなければ良かった点
・スカウト媒体は契約しない(費用が高い割には、リターンが乏しい)
・初期のYouTube毎日更新は不要(編集費用がかかる割には、成果が乏しい)
やっておけば良かった点
・出来るだけ自己資金を貯めておく(資本金500万円+政策金融公庫500万円でも、ギリギリです。キャッシュアウトしないように、より多くの自己資金を貯めておくか、業務委託を請けることでバーンレートを下げることが必須です)
やっておいて良かった点
・シニアアドバイザーの参画(自分の最大の功績の1つ。業界の重鎮的な人で、自分と馬が合う方で、かつ低い報酬でも甘んじて引き受けていただける方が良い)
・YouTube運営(これがなければ自社集客ができていない)
・業界イベントへの積極的な顔出し(クライアント候補が増える)
最後に、今後やりたいことを列挙します。
・短期的には年商1億円、中長期的には年商10億円
・TikTok運営(若手候補者獲得のため)
・アジア展開(市場が伸びるため。LinkedInがあれば戦えると判断)
・転職サイトのリリース(エージェント事業と並行して、Greenのような転職サイトを作りたい)
以上です。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
また、この記事をご購入いただいた方で、事業の壁打ちをご相談したい方がいらっしゃれば、お気軽にお問い合わせください。
これから人材紹介事業を立ち上げようとしている方だけでなく、現在取り組んでいる別の事業のご相談でも構いません(先着100名様限定、無料)。
私のX(https://twitter.com/kaziguchi)宛に、Biz Library購入された旨を含めて、DMをいただけますようお願いします。
本記事をお読みいただき、読者のあなたにとって何かしら得るものがあれば幸いです。
追記(2024年4月8日):YouTubeを活用して上手くいっていると思われる他エージェント情報(実績値あり)
YouTubeを活用して候補者の集客が上手くいっていると思われる人材紹介会社をピックアップします。私も、動画の内容や投稿本数/頻度、概要欄の記載や面談までの導線など、かなり参考にしました。
●ハイクラス転職のリメディ
https://www.youtube.com/@remedy_high-class-career
<特徴>
・ハイクラス特化(M&A仲介会社、コンサルティングファーム等)に強みを持つエージェント
・コンサルファーム在籍経験者の人物(社員ではないと思われる)が、フェルミ推定やケース面接の解き方を動画で解説している
・社員は、いわゆるハイクラス企業出身者が多い印象
・2022年度の転職支援数は190件(2021年度=57件)
・なお、コンサルタント1人当たりの売上高が11,380万円と、異常に高い
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2月
l 週1回YouTube対談、YouTube毎日更新(本編3日、ショート4日)
3月
l 週1回YouTube対談、YouTube毎日更新(本編3日、ショート4日)
l 1名成約
上手くいく人材紹介事業は、ブランディングが全て
以前のBiz Libraryにて公開しましたが、人材紹介会社の登録社数は30,000社程度存在し、市場は既に飽和状態であり、真っ赤っかのレッドオーシャンです。その中で、クライアント企業や候補者から「御社・あなたにお願いしたい」と思われるためには、ブランディングを強化することが必須だという確信があります。
ブランディングを考える上での第一歩は、自社のターゲットを専門特化させることにあります。大手企業ならいざ知らず、ゼロスタートの会社にとっては、「何でもできる=特徴がない=何もできない」となってしまいます。業界軸、職種軸、デモグラ属性(若手、シニア、30代特化…)などでセグメントし、何かしらでエッジを効かせなければ強いブランディングは作れません。
また、創業者のバックグラウンドを活かすことはとても重要です。人(コンサルタント)こそが、人材紹介会社のブランディングに直結するからです。当社は、私が脱炭素領域での事業経験があることを背景に、「脱炭素×人材」という事業テーマを設定し、脱炭素領域(←勝手にカテゴライズした)に特化した人材紹介事業を主軸として事業運営しています。
自社の専門性=強みを設定したら、次にいかにクライアントや候補者から認知を取るかを考えます。私は、SEO(検索エンジン)ではなく、SNS(YouTube)に賭けました。転職関連のワードで上位表示させることは至難の業である一方で、YouTubeならまだ勝てる可能性があると踏んだからです。
とはいえ、YouTubeには転職関連のチャンネルも多数存在します。そのため、当時流行っていたルーティーン動画というフォーマットをパクり、自分をさらけ出すスタイルで、かつ毎日投稿という物量勝負で動画投稿を進めていきました。
また、メインコンテンツは、脱炭素領域の企業との対談なのですが、対談を繰り返すとすることで、「こんなすごい人と対談している」というある種の「権威性」が培われていきます。その結果、次第にクライアントや候補者からの問い合わせが増えてきました。
ブランディングは大事ですが、そもそも認知されないと意味がありません。ブランディングの方向性を決めてからは、物量勝負で戦いました。
人材紹介事業が解散に至った過去の経験
私自身は、リーマンショック直後の2010年〜2014年までの4年半、当時のベンチャー企業で人材紹介事業の責任者を任されていました。売上が目標数値に届かず、また会社の方針もあり当該事業は解散することになったのですが、当時を振り返ると、反省点はまさに人材紹介事業としてのブランディングがなかったことにあります。具体的には、
- IT系企業を中心に、クライアントの求人依頼をなんでも請ける
- エージェント事業に特化したHPがなく、クライアント/候補者からの認知が取れない
- 転職コンサルタントは、自分含めほとんど新卒上がりのメンバーばかり
- ひたすらスカウト媒体でスカウトメールを送信(粗利率が75%程度)
という状況です。ブランディングには投資予算が必要です。例えば、オウンドメディア構築や広告出稿、人材採用などです。費用対効果が曖昧であるブランディング施策に対して、これらの重要性を説き、社内を説得し予算を獲得するのは容易ではありません。
結果的に、売上が予算を上振れする月もあればゼロの月もあり、年間予算の達成ができず、事業部解散となりました。
この時の反省が、人材紹介会社はブランディング強化が必至、という信念に繋がっています。
転職媒体は使うな
やってみて失敗した施策の1つに、転職媒体の活用があります。具体的には、マイナビとDodaを契約しましたが、いずれも成約に繋げることはできず、当社としては、いずれも投資(費用+工数)以上の対価を得ることはできませんでした。
そもそも、現在の転職市場は、求人数>>アクティブな候補者数 です。そのため、転職媒体側も強気の姿勢をとっています。具体的には、
- 参画条件あり(ex. ビズリーチ…直近1年間で800万円以上のオファーでの転職支援実績が2件必要)
- 初期費用が発生(ex. マイナビ…定価60万円、リクルートダイレクトスカウト…30万円)
というものです。また、せっかくお金を払って使っても、スカウトの返信率は非常に低いです。数百の人材紹介会社に加えて、同じくらいの直接採用企業もスカウトを送信しているためです。職種や年齢等により一概には言えませんが、目安として返信率は0.5%未満だと捉えておいた方が良いです。なお、1通ずつスカウトを作成して送信すると時間がいくらあっても足りないからといってスカウトの一括送信機能を活用すると、今度はミスマッチな候補者から返信をもらってしまう、という事態が発生しがちです。
結局、スカウトの工数に対する成果(適切な候補者との面談数)が見合わず、契約したマイナビ、Dodaはいずれも初年度で解約してしまいました。リクルートダイレクトスカウトは初期費用30万円の支払いが重いため、契約をしていません。
求人DBは使うな
直近での人材紹介市場の大きな変換の1つに、求人DBサービスが登場したことが挙げられます。
スキームとしては、アライアンス相手が保有する求人DBに対して、自社で集客した候補者をマッチングさせるというものです。費用は、月額固定(10〜20万円程度)もしくは成功報酬(エージェントの売上の50%程度)です。
こういった類のサービスは、クライアントが少ない状態では一見魅力的に映りますが、固定費が重くのしかかり、完全成功報酬だとしても費用が大きすぎます。なによりも、自社のブランディングを崩壊させてしまうため、当社では利用していません。もちろん、求人DBを利用して上手くいっているエージェント企業もあると思いますが、長期的にみて、自社の利益を大きく減らすことに繋がると判断しました。極論、求人DBに依存しないと案件獲得ができないようでは、人材紹介会社を立ち上げることを見直すべきではないかと思います。
粗利率100%の要因は、候補者の集客源がYouTubeだから
初年度の決定実績5名の候補者は、いずれも自社集客によるものです。具体的には、HP問い合わせ4名、知人1名です。そのため、粗利率が100%となっています。原価0円というのは、経営へのインパクトが相当大きいです。転職媒体経由で候補者を集客すると、エージェントの売上の25%程度を持っていかれます。1,000万円のオファーで転職仲介した場合、エージェントの手数料を35%だとすると、1,000万円×35%×25%=87.5万円+税を、転職媒体に支払わなければなりません。これはデカすぎます。いつまで経っても、儲かりません。
HP問い合わせ4名は、いずれも自社YouTubeチャンネルを見てくれていた方でした。確かに、YouTubeの運営には大きなコストがかかります。編集費用以外にも、企画を考える時間や撮影の工数が発生します。これらは、決して軽い負担ではありません。
ただし、投じた工数以上のリターンを得られていると実感しています。具体的には、候補者からの問い合わせだけでなく、クライアント候補からの問い合わせも多数いただけています。
また、YouTubeで対談し、その後採用依頼に話が進展することもしばしばあります(逆も然り)。たとえば、当社の決定実績のうち、2件は某ベンチャーキャピタルの投資先の幹部候補案件なのですが、このVCとは業界イベントでたまたま知り合い、その後YouTube撮影を通じて関係性を作り、担当する投資先企業の採用依頼を受けるようになっていきました。
こういった案件は、求人DBで出回っている案件とは異なり、競合となるエージェント数が少なく、また幹部候補とあって年収水準も高いので、比較的決まりやすく、かつ1成約の経営インパクトが大きいです。もちろん採用水準が高いので、そういった候補者を探すことは容易ではありませんが、当社の場合は、いずれも偶然YouTubeを通じてインバウンドで接点を持った候補者が採用決定に繋がりました。
背景として、候補者はYouTubeで気になる企業の社名を検索するという行動をとることが挙げられます。当社は企業インタビューという形で対談動画のコンテンツを作っているため、YouTubeで社名検索すると検索結果にヒットする場合がしばしばあります。これによって、当社を認知し、問い合わせしてくれる候補者が増えてきました。
伸びるコンテンツはこれ
YouTubeで伸びるコンテンツを3パターン挙げます。